• 県有林「小金沢シオジの森」及び周辺の森林をフィールドに、様々な森林体験プログラムを用意しています。

この7月13日は、山梨県森林総合研究所から、長池卓男氏をお招きし、市民の皆さんに、小金沢シオジの森に楽しんでもらう計画をたてていた。講師の長池さんには、昨年のうちに予定に入れていただいてもあった。

ところが、今年の梅雨は、長い。前回の別の講座も雨のため中止になった。小金沢で怖いのは、降雨による土砂崩れや、路肩の崩落である。今回も事前の調査では、通行可能な見通しであった。しかし、これほど長い期間大量の雨が降り続くのなら、林道はもとより、観察路も大いに心配なので、森の学校スタッフによるルートチエックのみに限定して、観察会は後日改めて計画することにした。それだけに残念至極ではあるが、安全を第一に優先する企画では、仕方がなかった。長池さんには事情を説明してお詫びし、ご了解いただいた。

さて、当日は、大方の天気予報では、昼前後から雨とのこと。観察会参加予定のスタッフ4人は、空模様を心配しつつ2台の車に分乗し、集合場所の大月消防署前を出発。

大峠までは、何事もなく無事通過。そこから先が大変であった。予想されたこととはいえ、林道に落石は多数。どこまでも行っても、落石は続いている。2台のそれぞれの助手席に座るスタッフは、いくども繰り返し車から降りては、進行方向に散らばる大小さまざまな落石を取り除く。小さいからと見逃すと、尖った小石の断片がタイヤに突き刺さり、パンクの原因となる。二台の車両でやってくるのも万一の事故に備えてのことなのだ。

大峠から小金沢シオジの森駐車場までの5㎞の間、何度車の走行を中断させ、路上に散らばる大小さまざまな岩石を取り除いたことか。土砂の崩落地点も数カ所見られたが、幸い大事に至るほどではなっかった。谷側の路肩も問題なく通過することができた。それにしてもこの区間だけで1時間近くの時間をとられ、観察路の点検に十分な時間が取れるか、天候次第で心もとない有様であった。

大峠から先、小金沢シオジの森駐車場までは、晴天時でも、初めての方や、山道になれていない方は、運転に気をつかう。ましてや雨天時は、なかなか技術を要する。それで市民の皆さんや家族向けのプログラムは、当日悪天候の場合はもちろんのこと、当日天候に恵まれても、前日次第では、取りやめさせていただくことにしている。

山歩きで皆さんに楽しんでもらうには、参加者ひとりひとりが、自分の体力の限界を知っていることが大切。そのうえで、事前に、どの程度全体から離れた行動ができるかを確かめておくとよい。

春に実施した探鳥会に参加者最高齢の女性のKさん。ご自身の体調と体力を勘案され、皆さんが歩く行程すべてに参加するのではなく、可能な行動範囲でシオジの春の風景を満喫されていらっしゃった。もちろんたくさんの山野鳥のさえずりを楽しむことも。長沢群生地のシオジの巨木群も、観察路入り口付近から、しっかりと見ることができるので、こちらも楽しんでいただけた。

さて、13日に参加した70歳代後半のスタッフ男性Jさん。

今回は林道では路上に散乱する岩石を片付けるのに、大活躍。お疲れのためばかりではないが、その後の観察路の点検には、一部のみ参加で辞退。そして、この季節ならではの、長沢沿いの岩や倒木更新のなじまった枯れ木はもとより、しっかりと枝をはるシオジの,巨木群の根元までを覆いつくす、苔につつまれた風景を堪能されたようである。こちらも、体力と相談のことである。

いずれにしても、森歩きで忘れてはならないのは、何よりも安全第一にということだ。

13日の観察路チェックでは、この長雨で、長沢からの水があふれだし、観察路が谷川になってしまっているところがあった。このようなところは、滑りやすいうえに、転びやすい。このようなことに注意を怠らなければよい。そうすれば、小金沢シオジの森は、いつも心地よく歩ける。

どなたにも、季節おりふしのシオジの森の風景を楽しんでいただければ,これにすぐることはない。

ちなみに、梅雨明け直後の苔の広がる世界は、必見。京都の著名な寺社の庭園に勝るとも劣らずと自負している。

苔の話は、いずれまた。

    (下澤直幸)

*写真提供は、天野文義氏

【小金沢シオジの森四方山話】 次回は、7月下旬に掲載予定


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